野生動物を“飼う”ということ①
★今回は野生動物の展示・販売や「ペット」利用に着目した内容です。飼育に興味がある方はぜひ覗いてみてください!
こんにちは、Muiの山本です!
現在、世界中の野生動物を飼育することが当たり前となっています。
ヨツユビハリネズミやヒョウモントカゲモドキ、シルバーアロワナ、メンフクロウ…
みんな、動物園での展示として、「ペット」として、人気の動物たちですね。

そんな野生動物ですが、飼育や管理に関して様々なルールがあるのをご存じですか?
野生動物関連法、知っていますか?
野生動物に関する法律といえば、何を思い浮かべますか?
動物愛護管理法?鳥獣保護管理法?
種の保存法?
(全て略称)
実は、対象となる動物種や目的等によって、様々な法律が関わっています。
直近の話題ですと、私立動物園が都市計画法に違反していた、ということがありましたね。Muiでは主に“飼育下の野生動物”に焦点を当てた活動をしていますが、状況に応じて関係する法律が変わってきます。

こう聞くと、野生動物たちは多様な法律に守られているように感じるかもしれません。
しかし、現実はとても悩ましいもので…
取りこぼされる野生動物たち
たとえば、こういう事例。
私たちの経験談をお話します。
CASE1
動物愛護管理法には『適切な給餌及び給水、必要な健康の管理並びにその動物の種類、習性等を考慮した飼養又は保管を行うための環境の確保を行わなければならない』とある。
野生由来の動物がメインの展示即売会にて、鳥類や哺乳類に数時間給餌・給水が行われていない、物陰に隠れる習性を持つ爬虫類にシェルターが与えられていないなど、法令に反する展示が多々見られた。
管轄の行政機関に申し入れをしたところ、「犬猫以外の動物には明確なガイドラインがなく、自分たちも知識が無いため、問題なのか判断が出来ない」との返答だった。
このような感じです。
野生動物の飼育が一般的に行われているにもかかわらず、彼らのQOL向上に関する法は、大変曖昧。「詳細な基準がないから」「まだ研究が進んでいないから」などの理由と共に、ずさんな飼育管理が常態化しているのです。
(犬や猫に関しても、問題点はまだまだ山積みですよ)
どうなる?これからの法律
カナダでは、娯楽目的での鯨類の飼育が禁止されています。1)イギリスは、霊長類の飼育にライセンスが必要となりました。2)このように、世界では、はっきり“禁止”と決めたり、一般家庭には実現が難しい基準を敷くことで、野生動物の安易な飼育を防ぐ施策が講じられています。

現在、環境省では、犬猫以外の動物の飼育管理基準の検討が進められています。3)
この先の動向から目が離せません。 つづく
参考:
1)Canada.ca「Ending the Captivity of Whales and Dolphins Act」https://laws-lois.justice.gc.ca/eng/annualstatutes/2019_11/page-1.html(閲覧日2025年2月27日)
2)GOV.UK「Keeping primates as pets banned」https://www.gov.uk/government/news/keeping-primates-as-pets-banned(閲覧日2025年2月25日)
3)環境省「動物の適正な飼養管理方法等に関する検討会」http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/tekisei.html(閲覧日2025年2月26日)