【動物利用事業】トカラヤギの除草実証実験に関し養父市から回答がありました【兵庫県】
養父市が実施した『トカラヤギを使った除草実証実験』ついて、今月初頭、市長に対し事業中止の要望書を提出しました。
(事業の詳細や要望内容については、以下の記事をご参照ください)
そして先日、養父市から書簡にて回答をいただきました。
以下は、回答書の該当箇所を抜粋したものです。
《今回の実証実験は、施設管理の省力化と脱炭素化を目的として実施したものですが、1頭が急死するなど生き物を飼育することの難しさを改めて感じたところです。
しかしながら、レンタル業者から説明を受けた飼育方法に従って適切に実施したと考えており、誤った飼育方法であったとは認識していません。
今後の実施については、今回の結果やご指摘の内容を踏まえ、慎重に進めてまいります。》
ヤギの飼育は適切だったとする見解に、残念でなりません。
事業の目的は「省力化」と「脱炭素化」であり、内容は「除草」。求められるのは数値的な成果かもしれません。
しかしながら、ヤギは道具ではなく、生命と感覚を持つ生きものです。今実験でヤギたちが受けた扱いは、彼らの存在を著しく軽視したものであったと考えます。

動物を大切にされている方にとっては当たり前だと思いますが、動物の飼育には重責が伴います。健康の維持には日々の観察が不可欠ですし、それぞれの動物たちの性格や感情等への配慮も必要です。
治療にかかる費用は安くありません。
共に暮らし続けるためには、飼育者が種について学びながら、個々の存在への理解を深め続けることが求められます。
さらに、今実験はレンタル。普段の生活を全く把握していない動物です。心身の健康に責任を持つことは、当然ながら容易ではありません。

私たちは、本事業を“動物を利用する”というところから見直していただけるよう希望し続けます。
本事業に対し問題意識を持っておられる皆様、どうかご意見を届けていただけますと幸いです。
除草やふれあい、学校飼育など、様々な現場で利用される『動物レンタル事業』。動物は“必要な時だけレンタルできる道具”ではありません。法整備が急務であるとともに、これからも団体として出来ることに取り組んでいきたいと思います。