【動物利用事業】移動ふれあい水族館イベントに関し調査と要望書の提出を行いました【兵庫県】
今年3月、兵庫県神戸市で、区主催の移動水族館イベントが行われました。
『海のない神戸市北区でも海の世界を感じられるように』といったコンセプトが込められた、このイベント。直前に開催の情報を得た私たちは、当日に現地を訪問。様々な問題が確認されました。

訪問時、会場内は多くの来場者で賑わっていました。


隠れ場もなく、身体を触る来場者の手から逃げるように
移動を繰り返していました。

水生生物ではない彼らがなぜ「海を学ぶ」場に
持ち込まれたのか疑問です

体内の水分を排出し脱水症状を引き起こす可能性があり
危険だとされる行為です。

「ふれあい」コーナーがありました。
ドクターフィッシュは日本に生息しておらず、
ましてや淡水魚です。
後日、私たちは、当該イベントの主催者である区担当課を訪問。担当者の方とお話させていただき、イベントの問題点や動物の移動によるリスク等について共有。そして、今後は動物利用事業を実施されないよう要望しました。
先日、課からメールにて回答をいただきましたので、以下に該当箇所を添付いたします。
《ご要望いただきました、イベントでの動物利用に対する動物福祉の観点でのご見解につきましては、本市でも十分に検討すべき事項と認識しております。
そのため、当該イベントにおきましては、娯楽目的ではなく、子どもを中心とした「学びの場」の提供や地域の交流促進を目的とし、「第一種動物取扱業登録」を受けている事業者に業務委託を行いました。
また、実施当日におきましても、生体の体調確認・ストレス軽減対応、水質管理(温度・塩分濃度・酸素量などの定期チェック)等を行うよう依頼し、獣医師免許を有する方の終日立ち合いのもと、事業を実施しました。
今般いただきましたご要望内容は貴重なご意見として受け止めさせていただき、今後も最大限の配慮を検討させていただきます。》
結果として、動物の利用をやめる意思は提示いただけませんでした。
驚いたのが、獣医師免許の所有者が終日立ち合いをしていたという点です。リクガメを自由に持ち上げることが許可されていたのは、非常に大きな問題です。また、ストレス軽減対応を考えていたのであれば、夜行性であるとされるネコザメを狭く隠れ場もない容器に入れて、自由に触れさせるべきではありません。

当然ですが、海の生きものたちはそれぞれの地に適応して進化し、多様な生きものたちの関わり合いによって海洋生態系は成り立っています。そこから特定の動物だけを切り取り、不自然・不自由な環境に閉じ込めて見せたり触らせることが、海への有意義な学びに繋がるとは考えがたいです。
加えて、今回ふれあいに利用された動物たちは、生息域も異なり、種によっては水生生物ですらありません。

タモロコなど淡水魚の展示でした。
(奥は隣接する駅の構内です)
『学び』を目的とした今回のイベントにおいて、移動や「ふれあい」などの負担をかけてまで動物を利用する行為は、果たして必要不可欠だったのでしょうか。
イベント会場には、生体展示ブースの他に、神戸市の海水魚を紹介するパネル展示や図書コーナーがありました。郷土の自然への興味関心を芽生えさせ、海への好奇心を育む、『学びの場』にふさわしい取り組みであると感じました。

地方公共団体が『市民のため』という名目で動物利用イベントを実施することは、多々あります。動物を見る・触るイベントは、体験した人々にとってはインパクトが大きく、喜ばれるものかもしれません。しかし、動物たちの負担の上に成り立つものであることを、忘れてはいけません。

という保証はありません。
業者による法令違反は多々発生していますし、
わたしたちもこれまで複数の業者を調査し
数々の問題が明らかになっています。
『依頼先は第一種動物取扱業者だから』『福祉に配慮する』など、動物利用を前提とするのではなく、動物たちの生命と生涯を尊重し、彼らを利用しない選択をしていただきたいと心から願います。
当該イベントのチラシにおいて、第一種動物取扱業に義務付けられている『広告への登録番号等の記載』が守られていませんでした。当日の不適切な取り扱い等と併せて、業者を管轄する動物愛護行政に通報しました。(違法広告の件はチラシを作成した北区担当課にも指摘しています)

